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東シナ海の資源問題で日中協議が再開され、日本側は漸く、共同開発提案に踏み切った。この点は評価してよいだろう。ただ、日本の提案が日中中間線(EEZ)の中国側をも含むものであったため、中国側は拒否したというが、当然だろう。
日中中間線(EEZ)の中国側に関しては中国がオウンリスクで既に開発を進めている。今更この海域を日本と共同開発とする意味が中国側にあるわけがない。中国が求めているのはEEZの日本側海域での共同開発なのである。これによって、日中が双方とも国益を守りつつ、開発を行うことができると、中国は考えているのだ。 また日本側は共同開発を提案しつつ、再び開発中止とデータの提供を要求した。これも中国は拒否する。一体誰が、自らリスクを取って、資金を投入して得たデータを赤の他人に渡すというのだろう。日本側の要求はあまりに非常識だ。また、開発中止要請も非常識だ。日本も認めている中国の排他的経済水域での中国独自の開発計画に、日本が中止を求める権利はない。この一連の問題に対する日本側の言い分は「ごろつき」と同じ、自分勝手なものでしかない。今まで世界でこんな非常識な要求をした国を見たことがない。 それでも、今回共同開発を提案したことは日本が前進したという点で有意義であった。今回の協議の報告に対して、自民党の議員からは「弱腰だ」との意見も出たというが、その議員はあまりにもこの問題に対して無知であることを、自ら証明してしまったことになる。 カタールの世界最大のガス田、ノースフィールドは、カタールとイランの境界線を越えて伸びており、北側はイランのサウスパースと呼ばれている。カタール側は積極的にガス開発を進めているが、イランはあまり進展していない。それぞれの国がそれぞれに開発を行っており、問題はない。東シナ海の資源問題では、国内に中国を資源泥棒呼ばわりする声もあるが、これは全く筋違いなのである。世界の常識から見れば、たとえ同一ガス田であっても、境界を越えれば他国の資源として捉え、その比率を協定で決めるしかない。 ところが、東シナ海の場合はそれほど単純ではない。境界線の主張が日中双方で異なっており、確定されていないのである。従って、中国はこれまで日本との係争のない海域のみで開発を進めてきた。これに対して日本はEEZの日本側で独自開発しようと考えている右よりの人々がいるが、境界が画定されていない以上、その海域は「公海」であり、排他的に開発を行うことはできない。要するに利害関係にある中国と協調しなければならない。こうした事情を理解していないものたちが、日本の主権を侵害されたかのように騒いでいるが、全く無意味である。 この問題は共同開発するしか解決の方法はない。しかも、この資源を日本に持ってくるのというのは、現状では殆ど採算性が見込めない。 日本が資源に対して利権を設定し、生産物分与協定を結んだ後、生産物を中国に送り、日本は取り分だけ代金を貰うというのが、最も現実的な方法である。これ以外の手法では日本が多大なリスクを負わねばならなくなり、国益が損なわれることになると考えられる。 資源の量や質によっても異なるだろうが、利権設定は中国がメジャーを取ることが望ましい。これによってリスクを中国に押し付けられるし、日本は利益を多く取れることになる。 資源開発は愛国心だけで進められるものではない。そこには冷徹な経済計算が必要だ。でなければ利益を得ることはできない。東シナ海の資源問題で、いたづらに強硬手段を求めるものたちは無知な子供と同じだ。真の国益とは何かを理解すべきだ。
by hensyutyo1
| 2005-10-06 20:17
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